秘密 マヤSIDE
(元ネタ・セイント・ビースト/CP・キラ×マヤ)
朝―
目覚まし時計が鳴る前に、僕はいつも目を覚ます。
隣で寝ている兄さんを起こさないように、注意をしながら寝台から下りて、身支度が終わると、僕はまた寝室に行く。
「まだ寝てる……よね……」
兄さんが寝ていることを確認すると、僕はちゅっと兄さんにキスをする。
絶対にバレてはいけない、朝の儀式。
「兄さん、朝だよ。早く起きて!」
口でいくら言っても駄目だから、僕は兄さんの体を揺さぶった。
「……ん……今、起き………」
……る気配はまったくなくて…。
兄さんは『超』が付く低血圧なんだ。シン兄さんとガイも低血圧だけど、ここまでひどくなかった気がする。
だって、いつも朝食の時間には間に合っているもの。
それとも、僕の起こし方が下手なのかな?
「……はぁ……」
ため息を一つこぼして、僕はまた兄さんの体を揺さぶった。
「兄さん、早く起きてよ! せっかくのレイさんの朝食が冷めちゃうよ」
「んー……わかってる……」
口ではそう言っていても、絶対全然わかってない気がする。
「もー! 兄さんってば!」
僕はこれでもか! と言うくらい、力いっぱい兄さんを揺さぶった。
「いた……っ! マヤ、やめろ。痛いっ!」
「やめても、寝ない?」
「もう眠気なんかないさ。……レイの作った朝食が冷めてしまうのだろう? 早く行こうか」
ふ~ん……あの時には起きていたんだ?
だったら、もっと早く動けば良いのに。
でも、そう言うと兄さんは「体が動かないんだから仕方ないだろう」って、いつも開き直るんだよね。
それとも、低血圧ってそういうものなのかな?
僕は低血圧でも何でもないからわからないけど……。
そういえば昔、シン兄さんも低血圧で困るってユダさんが愚痴ってた。
半分だけ目を開けて、兄さんが寝台から這い出る。
大丈夫なのかな?
ハラハラしながら、兄さんの動きを追う。兄さんはゆっくりしだ動きだけど、着替えを済ませた。
「どうした? マヤ」
着替え終わった兄さんが、微動だにしない僕を見て眉根を寄せる。
「ううん、何でもないよ。早くダイニングに行こっ!」
兄さんの手を引っ張って、足早にダイニングに向かう。
やっぱり兄さんって格好良いな♪
僕は世界で兄さんだけが好きなんだ!
ガイも好きだけど、好きの種類が違うって言うのかな? ガイは友達としてすっごく好き。一緒にいて楽しいし。
けど、兄さんは……。
「こら! マヤ! そんなに急ぐな」
「だって僕、お腹空いちゃったんだもん♪」
「ふっ……まだまだお子様だな、マヤは」
「む~……」
怒りながらダイニングのドアを開く。
「マヤ、キラ、おっせーぞ!」
「ガイ、おはよう。ゴウ兄さんもシン兄さんもレイさんもおはよう」
「おはよう」
「おはようございます、マヤ、キラ。……朝の挨拶も大切ですが、早くしないと食事の時間が終わってしまいますよ」
シン兄さんの言葉に、慌てて時計を見るとあと30分しか残ってなかった。
慌てて席につこうとしたら、
「キラ! マヤ! 食事は手を顔を洗ってからにしなさい!」
と、レイさんの雷が落ちた。
「はーい」
言うことを聞かないと、食事を片付けられちゃう。
それがわかっている兄さんも、僕の後についてきた。
「まったく。レイの口うるささは何とかならないものか……」
「そうだねぇ。……ルカさんの前でもああだったのかな?」
「さぁな」
会話しながら、手と顔を洗い終わってダイニングに戻ると、ゴウ兄さんとガイの姿が見えなかった。
それにはさすがに兄さんも気づいて……。
「他の2人はどこに行った?」
「外で修行してくるらしいですよ」
「ふぅん……」
最近ガイはゴウ兄さんと修行してばかりで、僕とちっとも遊んでくれない。
でも、僕も兄さんを一人占めできるから良いんだけどね♪
食事の片付けが終わると、僕たちを残して、4人はいつもどこかへ出かけるんだ。
だから、4人が帰ってくるまで、僕は兄さんと2人きり♪
「マヤ、俺たちも出かけるぞ」
「はーい♪」
いけない、いけない。僕たちはお母さんを探しているんだった。
でも、探している間くらい、出かけている時はデート気分を味わっても良いよね?
兄さん?
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